Moloch


「Der Schein Des Schwrzesten Schnees」

 日本でも人気のウクライナ出身スイサイダル・デプレッシブ・ブラックメタルソロプロジェクト「Moloch」の9作目のフルアルバム(?)。全11曲約65分で、アルバム後半(10,11曲目)はダークアンビエントという構成。
 古代イスラエルのソロモン王が崇拝したといわれるモロク神から名前をとったと思われますが、その真偽は定かではありません。だって、音楽性と一切接点がないんですもの(汗)まぁそれは置いといて、この作品は悲痛な鬱ブラックが一時間以上に渡り展開されます。ノイジーなギターと暗いシンセはいつぞやのBurzumを彷彿とさせ、その陰鬱加減はまさしく一級品。そしてもちろんヴォーカルは美声。
泣き叫びます。。。
ただ、高頻度で語りが入るため、あまり出てこないように感じてしまいますね〜。2曲目「Mein Wesen Ist Eins Mit Den Schmerz Der Natur」は自らの虚無性を表現した名作。「過去が存在しない者に未来は存在しない」。行く先を失った怒りが内的な攻撃性へと昇華し、やがて辿り着いた虚無感が自然と調和する姿を描きます。
 歌詞カードを開くと、そこには雪の積もった森の中でロープを木に括りつける男性の写真が載っています。そう、この方こそがこのプロジェクトの張本人Pr. Sergiy Fjordsson氏、現在29歳です。。。若くしてこの音楽性に至った経緯が非常に気になるところですが、その絶望の度合いは、何か触れてはならないような雰囲気を醸し出しています。あともう一つ。歌詞カードにはこの手の音楽性にしては珍しく、ちゃんと読める歌詞が書いてある!ウクライナ語と英訳で綴ってあります。5曲だけですが(汗)
 さて、この作品はこの手のジャンルが好みの方だけ聴いてください。興味本位で聴くのは精神衛生上よろしくないので、ご注意を!あと、間違っても給食の時間とかに流してはイケませんよ!!(汗)


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