Wolves In The Throne Room

Celestial Lineage

Celestial Lineage

 アメリカ出身の大自然ブラックメタル・アーティスト「Wolves In The Throne Room」の4thアルバム。全7曲約49分。
 大自然が好きすぎるあまり妖精になっちゃったフィンランドのオジサン達とはまるで正反対な印象の彼ら。ブラックメタルを音楽的基調としながらも、その古典的なスタイルを否定して独自の路線を突っ走る、通称
不思議ちゃんブラックメタル
なのです。。。
 音楽性は古典的なブラックメタルに加え、神秘的なシンセサイザーや女性ヴォーカルの起用による展開の多さが目立ち、プログレ的な要素が窺えます。どことなくAgallochに似た雰囲気が感じられますね。曲調に関して具体的に言うと、ざらついたギターサウンドを下地に神秘的なシンセサイザーが曲に深みを与え、ダークで抒情的なメロディをこれでもかと振り撒きます。そしてそのメロディは鬱ブラック系のそれに近く、そっち方面が好きな方はかなーりツボるかもしれません。また、トレモロ疾走パートが結構あり、なかなかカッコいい一面もあります。
 個人的にもかなり気に入っている本作、なんと歌詞が読める!
ブラックメタルとは違うのだよ、ブラックメタルとは!
ってことなんですね、分かります。それにしても、ブラックメタルを否定しながらもその音楽性に辿り着いたっていうのは、やはり特筆すべき部分ですよね。ブラックメタルの根幹にあるものは神話的、超自然的なモノへの畏怖であるという彼らの考察は、なかなかに説得力があります。
 ってなわけで、大自然をこよなく愛するそこのアナタ!彼らの熱き思いを!耳を通して全身で感じて最後には妖精になって野へ駆け出してみたいと思いませんか!?(※)なお、鬱ブラッカーには本作を全力でオススメしますっ!


※彼らは自給自足の生活を送っていますが、妖精にはなっていませんのでご注意ください。

6曲目「Astral Blood」 バンドロゴがブルデス並みに読めなくて困ってます。