Dark The Suns

All Ends in Silence

All Ends in Silence

 フィンランドのメランコリック・ゴシックメタル・アーティスト「Dark The Suns」の2ndアルバム、輸入盤全10曲約45分。
 傑作!
 の一言で終わっても何の問題もないほどの秀作。もうね、ツボ過ぎて聴き終わるまで終始ニヤニヤしていましたから。あまりにも良すぎて電車の中でもニヤニヤしてましたから。そしたら
 前に座ってた女の人にあからさまに目を逸らされましたから
 本作の最大の魅力、それは聴き手を意識した音の創り方です。用いられる楽器は徹底的に単純さ、明快さを追求し、全体として音楽の方向性に統一感が与えられています。ギターが複雑な動きをすることもなければ、ドラムがイカれたテクニックを披露するようなこともありません。それらはすべて本作のテーマである「静寂」を表現することの一点に収束されます。アルバムタイトルの「All Ends in Silence」からもテーマは十分読み取れますが、歌詞においても10曲中8曲でSilence,Quiet等「静寂」を意味する単語が用いられるほどの徹底ぶり。これは素晴らしいとしか言い様がありません。
 ポロンポロンと哀しげなピアノの音色は主旋律を奏で、重くメランコリックなギターがこれを支えます。また、曲によっては女性ヴォーカルが参加しており、男性の低音グロウルとのいわゆる「醜と美の対比」が表現されます。それは特に3曲目「The Dead End」において顕著であり、この曲は本作中においても屈指の完成度を誇ります。なお、本作が出る一年前に発表されたEPでは、この3曲目がディスクタイトルでした。
 私のお気に入りトラックは1〜6、8、そして10曲目です。もはやすべてお気に入りであると言っても問題ないですね(笑)そしてラスト10曲目「Gone」の終わり方は他に類を見ない美しさです。雨のアンビエントをピアノの旋律が優しく包み込み、すべては静寂へと帰していきます。もう鳥肌全開です(笑)
 以上で終わりです。本作は傑作ですよ、傑作。。。耽美性、悲哀性が強いアーティストが好みの方には気に入っていただけること請け合いの、良質ゴシックメタルです!


↓3曲目「The Dead End」 こ・・・これ以上胸を締め付けないでぇぇ・・・!