Dark Sanctuary

L'Etre Las L'Envers Du Miroir

L'Etre Las L'Envers Du Miroir

 本作はフランスの耽美系フューネラル・ゴシックバンド「Dark Sanctuary」のサードアルバムです。ところでこの作品はどのジャンルに入れたらいいのか非常に悩みました。なぜならアンビエントであり、クラシックであり、そしてゴシックでもあるからです。そんなバンドを一つの括りにしてしまうのは大変心苦しいのですが、まぁそこは便宜上の問題ということで勘弁してください(汗)では行きましょう。
 同郷のゴシックメタルバンド「Elend」の3作目と非常に似通った雰囲気の作品ですが、こちらは徹頭徹尾「葬式」のような重苦しさに包み込まれています。何重にも重ねられた荘厳なストリングスに、さらに女性ヴォーカルが重なり、一瞬の笑みも介在できないような耽美的暗黒世界が構築されています。クワイアやヴァイオリン等クラシックの要素を大きく取り込みつつ、それらを独自の世界観へと昇華させたこのバンドのポテンシャルには、正直驚きを隠せません。似たような雰囲気のバンドとしてはNox Arcana、Dargaard等が挙げられますが、このDark Sanctuaryだけが有名な理由はまさにそこでしょう。残念ながら前篇フランス語で綴られた歌詞を解読するのは今の私では不可能ですが、本作はメタルとしてのみ括られるべきではありません。もちろん万人受けすることは望んでいませんが、それだけの構築力が垣間見られます。
 さて、本作は全14曲で78分もの大作ですが、一分程度のインストが5曲収録されており、そのほかは6、7分という曲構成です。この作品で「捨て曲」なんて概念は一切ありません。ジャケットに描かれている絶望した女性と背後から見下ろす死神の構図通り、どの曲を取っても絶望的で、それでいて耽美的。まさしくデカダンスの体現ですね。ちなみにこのバンド、私の理想形態の一つなんです。。。
 以上、褒めまくりましたね(笑)このバンドはそういうのが大好きな方には是非聴いて頂きたいです。ちなみに一般的に言うメタルの特徴(ギター、ベース、ドラム)はほとんど使用されていませんので、そういうのじゃないとヤダという方はご遠慮ください。。。ええ、本作は間違いなく名盤ですとも。
一部の界隈ではね。。。


↓公式サイト。なんか素っ気ないですね(汗)
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