Hypomanie


「Hypomanie」

 このバンドについては以前にも軽く触れましたが、ようやく聴くことができたので今回は詳しく説明します。「Hypomanie」とはドイツ語で躁鬱病のことを意味する言葉ですが、彼らの出身地はなんとオランダでした。しかも曲名を調べたらすべてオランダ語だったので、どうやら私の単なる勘違いだったようです(汗)あとHypothermiaと文字が似ているためしばしば混同されることがありますが、違うバンドなのでご注意を。
 今作はEPということで5曲約30分という短い構成ですが、内容は十分満足できるものでした。ジャケットの雰囲気からもなんとなく分かるかと思いますが、このバンドはシューゲイザー系のデプレッシヴ・ブラックメタルです。解り易く例えるなら「Alcest+Sterbend÷2」といった感じでしょうか。ちなみに2で割ったところがポイントですよ(笑)
 シューゲイザー系ということでどこか優しいイメージが湧きがちですが、安心して下さい。一応デプレッシヴ・ブラックメタルですから。。。曲調はAlcestのようですが、メロディは切なさというよりそれを通り越した虚無感を強調しているように感じます。そしてそのメロディラインに乗っかる不釣り合いな悲鳴系ボーカルはまさに「鬱世界」の体現と言えるでしょう。基本的にはミドルテンポですが、トラック4は寒々しいトレモロリフを使用した疾走感あふれる曲です。これは個人的にツボでした。ちなみにトラック4の始まりに奏でられる優しい赤ちゃんの笑い声は、ノイズとともに阿鼻叫喚の断末魔へと変化します(汗)あぁ素晴らしき鬱展開よ(大汗)
 この作品はシューゲイザー系が好きで、なお且つSterbendやBlood Red Fogのような断末魔系ボーカルが聴ける方にオススメします。それ以外の方は間違っても聴いてはいけません(汗)もしこれを聴いてる時に友達に「なに聴いてるの?」と聴かれたら「ちょっと変わったロックだよ」と軽く流してあげましょう。万が一聴かれてしまった場合には、それ以降二度と音楽の話題になることがないと思われますのでご注意ください(汗)