Uaral


「Lamentos A Poema Muerto」

 彼らはチリ出身の謎の二人組アンビエント・ゴシック・ドゥームメタルバンドで、そのあまりにも不可解な音づくりはごく一部のマニアを悶絶させたとかさせなかったとか・・・(汗)どういった意味で不可解なのかは後に詳しく説明しますが、とりあえずメタルに分類してよいものかどうか悩んだ、とだけ言っておくことにします。ちなみに言語がすべてスペイン語(?)であるため読解はできませんでしたが、アッラーとか曲名についてる時点で何やら宗教のニオイが・・・。
 全7曲約45分、かつてここまで「混沌」という言葉を体現したバンドはあったでしょうか。。。瞼を閉じるとひたすらぶ厚い雲に覆われた暗黒世界が目の前に広がっています(汗)曲調はゆっくりしっとり聴かせるゴシックドゥームの王道ですが、なんとこのアルバムはエレキギターの使用がほとんどありません。あってもすぐに終わってしまします。「果たしてこれをメタルと呼んでいいのだろうか?」いろいろ考えましたがやっぱり分かりません。しかしメタルコーナーにあったのは事実ですし・・・。ということで、個人的には一応ゴシックメタルに分類させていただきました。
 では、一曲ずつ感想を交えながら簡単に解説していきます。一曲目は雨のアンビエントだけかと思いきや突如男の人の断末魔がこだまします。こんなの車の中では聴けません(汗)二曲目はピアノとアコギで始まり、なんと男性がオペラチックに歌唱を始めます。・・・が、その直後にえげつない超低音ガテラルボイスが(汗)ゴシックメタルでガテラルボイスを聴いたのは初めての体験でした。三曲目もやっぱりガテラルボイスですがこの曲では様々なボーカルスタイルが登場します。そして極めつけは曲の終盤に出てくるトレモロギター。。。なぜこのタイミング・・・?この曲は10分50秒と長いです。四曲目は三曲目に似ています。というかほとんど一緒です。五曲目は突如「収穫祭」みたいな明るい雰囲気になりました。この曲だけ浮いてる気がします(汗)2分40秒程度のインストです。六曲目までくるともはや歌というよりなんかの呪詛に聴こえてきました。呪われそうで怖いです(汗)ラスト七曲目は雷雨のアンビエントをバックに演奏され、男性が泣きながら語りかけてきます。この曲を聴いてテンションが上がる方はよっぽど病んでる方だと思われます。気を付けてください(汗)約10分20秒です。
 ちょっとマイナスイメージなことばかり書きましたが、実際にはメランコリックなギターメロディが満載です。特に二曲目、三曲目、四曲目の出来栄えには感動を覚えるほどでした。
 このアルバムはメタルだと思って期待してはいけません。どちらかと言うとフォークに近い印象を受けました。さらに、ボーカルが特徴的なので嫌な方はとことん嫌になると思います。厭世感丸出しのデプレッシヴ・ブラックを聴けない方はきっとこれも聴けないかと思いますので、ご注意ください。あとは最近のUlverが好みの方は割といけるかも知れません。
 最後に、このアルバムはLast.fmで無料ダウンロードできますので、興味のある方はぜひお試しください。