Dark Empire

HUMANITY DETHRONED

HUMANITY DETHRONED

 このバンドはアメリカとスウェーデンの二人が組んだプロジェクト(?)的なもので、頻繁にメンバーチェンジがありました。そんな中で作成されたこのアルバムはVo、Gt、Gt、Drの四人で編成されています。
 今作はジャケットを見る限りデスコアかブルデスだと思いましたが、帯を見てビックリ、実はパワーメタルでした。日本盤全12曲63分、トラック7がインスト、11、12がボーナストラックという構成です。曲調はミドル〜疾走系で、ときどき聴こえるブラストビートがなんとも心地良いです。またメロディラインはすべてギターリフからできており、キーボードは使用されていません。あとはCDの音質が非常に良いので、重低音もクリアに聴こえます。さすがパワーメタルというだけあってギター中心ですね。ちなみにギタリストはあのネオクラ系ギタリスト、ジョー・スタンプの弟子ということで、所々でテクニカルなギタープレイが炸裂しています。さらにボーカルは元Persuader、Savage Circusのイェンス・カールソン(汗)そんな二人が在籍するこのバンドが悪くなるはずありません!
 歌詞は同じフレーズを使用しないという凝り方で、なんとなくDragonforce的です。しかし内容は全く別物で、憎悪や厭世観といった狂気を滲ませています。まさに私のドストライクゾーンというわけですね(汗)トラック7〜10は「The Appartion Sequence」という一つの物語のようになっていて、共通したメロディで構成されています。この作り方はなんとなくプログレを意識しているようにも思えますね。だとしたらボーナストラックにGenesisのカバーを入れるのも納得ですよ。
 ボーナストラックは九曲目のラジオ・エディットとGenesisの「The Knife」のカバーです。正直個人的には輸入盤で十分でした(汗)同じ曲は二曲もいりませんし、Genesisのカバーもそこまで必要には感じません。ここは十曲目でスパッと終わってもいいかと思います。
 このアルバムはDragonforceやPersuaderが好きな方は抵抗なく聴けるのではないでしょうか。ただときどきデスボイスが入るので、嫌な方は注意してください。それからギターをやる方は聴いてて損はないと思います。Yngwie Malmsteenほどテクニカルプレイはありませんが、一応参考として聴くのもいいかも知れません。