Shape Of Despair

Shape of Despair

Shape of Despair

このバンドはフィンランド出身のゴシック・ドュームメタルで、通称「名ばかりフューネラルドューム」と私個人は呼んでおります(汗)フューネラルドュームと表記されているのですが、実際の演奏内容は荘厳なゴシックドュームなんですよ。あとバンド名ですね。「絶望の形」という素晴らしいネーミングなんですが、演奏内容にしてはいささか重すぎる気がします(汗)これはどうでもいいですけどね。。。
このアルバムに収録されている曲は今から十年くらい前のデモが多く、本当に新しいといえるのは最初の二曲程度です。全七曲計63分で二曲のインスト入りという、割と普通のドュームメタルですね。
今回も相変わらず哀愁漂うメロディが使われており、二曲目と四曲目は素晴らしい出来栄えです
しかしこのアルバム、五曲目から若干空気が変わります。四曲目までの強いメロディは消え、突然単調なリフが続くフューネラルドュームへと変貌するのです。後半三曲から、このバンドはもともとフューネラルドュームメタルだったことがうかがえます。ボーカルも元AmorphisのPasi Koskinenは参加しておらず、Funeral Mourningのような低く地を這うような暗〜いボーカルスタイルとなっています。なかなかいいですね〜。
ただ五曲目と六曲目のつくりが非常に似ているため、ぼーっとして聴いていると曲が変わったことに気付かない可能性があります(汗)ドラムの叩き方がずっと同じなので余計そう感じるのかも知れませんが(汗)
そして最後のインストですが、これは凶悪の一言に尽きます。「In The Mist」というタイトルのこの曲は、まさに霧の中にいるような不鮮明なノイズギターで覆われており、聴く者の恐怖感覚を鋭く刺激します。ゆっくりとしたなんの変化もないノイズを約十分間聴き続けるのは最早苦痛としか言いようがありません。耐性がない人が聴いたら本当に気が狂いそうな曲です。

今作は前半と後半のつくりがまったく異なるため、好き嫌いがはっきりする作品といえるかも知れませんね。ゴシック好きには前半、フューネラルドューム好きには後半が好まれると思います。しかしこれはフューネラルドューム目的で購入するのはあまりオススメできませんので、御注意ください(汗)