Dir En Grey

Withering to death.

Withering to death.

 最近海外で日本のヴィジュアル系が流行っているようですが、その火付け役は彼らでしょう。アメリカではすでに中堅、ヨーロッパでも成功を収めています。ということで、私は彼らのことはヴィジュアル系とは思っていません。クリーンボイスを使うメロディックデスメタルバンドですよ。マーティ・フリードマンがなんと言おうとメロデスです。。。あとはthe GazettEやSadieなんかももはや私にとってはデスメタルに近い感じですね。ちなみにVersaillesは思想まで伴ったネオクラバンドだと思います。。。
 今作は全14曲約51分、曲数が多い割には短い時間ですね。それもそのはず、二分台の曲が四曲もあります。全部併せてもフュ−ネラル・ドゥーム一曲分ですね!(汗)
 さて問題の曲調ですが、一、二、三、四曲目はぶ厚いギターにシャウト、デスボイス等を多く用いた狂気的なもの。五曲目以降は比較的おとなしくなり、切なさを前面に押し出したような曲調。そして最後の「鼓動」で再びテンションが最高潮に達してアルバムが終わります。このアルバムは狂気的な曲と切ない曲に分けられますね。ちなみに短い曲は基本的に激しいです。たまりません。。。
 ところでメタル視点から見るとどうなるかというと、まずギターリフの印象の薄さが気になります。ディスト−ションをかけたギターはメタルそのものですが、ボーカルの方が目立ってしまっているためそれほど印象に残りません。次にドラムですが、これはもはやただのリズム取り。ツーバスもなけりゃブラストもしません。実際はできるのかも知れませんが、激しさを追及するならこれは致命的です。最後にボーカルですが、低音から高音、デスボイスからクリーンボイスに至るまで自在に操れるという技術がスゴイ。表現力豊かなこのバンドの中心的存在ですね。
 というわけでメタル的にはそれほどスゴイ技術を持つというわけではありませんが、表現力豊かで歌詞に説得力を持つバンドとして評価できるはずです。そして海外ではそういった中身を評価されているのではないでしょうか?曲調重視かつ表面上でしか評価されない日本においてあまり人気がない理由がまさにここだと思います。彼らは間違いなく日本を代表するバンドの一つですよ。ってなわけで、
「私、グローバルな人間なんだ〜♪」
と自称する方は、世界でDir en Grayが売れているということくらいは知っておいて損はないと思いますよ。。。