Kalmah

ザ・ブラック・ワルツ

ザ・ブラック・ワルツ

 日本盤全12曲約51分、ボーナストラックはCarcassのカバー。
 いやぁ〜、この作品はKalmahの最高傑作ですね〜。Children of Bodom(以下COB)やArch Enemyに比べたら若干知名度で劣る彼らですが、今作で既に四枚目のアルバムになるというベテランさんです。メンバーがEternal Tears of SorrowやCatameniaと深い関係にあることから同じようなメロデス路線を歩むことは明白でしたが、個人的にはEternal Tears of Sorrowを上回ってしまったような気がします。というかこちらの方が気に入ってます。。。
 アルバム冒頭から突撃する「Defeat」はどこか陰鬱なアグレッシブナンバー。ペッカ・コッコの慟哭が凄まじくカッコいいです。そしてそこから始まるアルバム前半の流れ(特に六曲目まで)はまさにメロデス的に完璧なお手本といえる出来栄えで、既にCOBのフォロワーの域を脱し、オリジナルとしての信念が感じられるほどのもの。ただ七、八曲目では少々スピードダウンが感じられるものの、九曲目ではKalmah史上最高(個人的に)の一曲「The Groan of Wind」によって勢いを取り戻します。それ以降再び活気付いた彼らは留まるところを知らず、原盤終了の十一曲までブラストをかまし続けます。。。アルバム全体を見渡すとギターリフよりもキーボードによるメロディの印象が強いように感じますが、九曲目や十一曲目のようなメロディアスなギターリフによる曲もあり、なかなか楽しませてくれます。
 ・・・でも日本盤のボーナストラックははっきり言って邪魔でしかありません(汗)Carcassの「This mortal Coil」をカバーしたものですが、Kalmahに比べてメロディの印象が薄過ぎるため、一曲だけ浮いてしまっています。これは輸入盤で十分だと思いますよ。
 ということで、今作は個人的にメロデス史上に残る名盤だと思います。COBを聴いて悶絶していた頃に今作を聴いて、自分の世界の狭さを実感しましたよ。これからも大切にしていきたい一枚です。。。