志方あきこ

Navigatoria

Navigatoria

 日本のシンガーソングライター「志方あきこ」氏の1stアルバム、全11曲約52分。
 私は2ndアルバム「RAKA」から入ったので、この作品を初めて聴いたときは驚きました。なぜなら歌唱法がまったく違うんですもん。。。まず全体的な評価としては、非常に落差が激しい作品と感じましたね。
 以前当ブログでご紹介したように、「RAKA」での音創りは多重録音を用いた重厚なコーラスの多用と民族民謡的な雰囲気、そして力強い歌い方が主体でした。しかし、本作では多重録音はあまり使われておらず、細く繊細な歌唱法が主体となっており、なによりポップ寄りの構成となっています。
 使用される楽器は定番のアコギ、ヴァイオリン、ピアノの他、なんとエレキギターが結構活躍しているんですね。そのエレキギターが全面に押し出された6曲目「Hollow」はもはやゴシック・ロックとすら言える代物で、これはアウトー!正直ないですね(汗)アルバムの雰囲気から考えると、これだけどうしても浮いて聴こえてしまいます。新たな挑戦と言ってしまえばそれで片付きますが、これはやりすぎでしょう。
 その他の曲については、歌詞が解り易かったり歌いやすい創りだったりと、ポップ寄りな構成となっています。特に9曲目「空の茜 空の蒼」は甘すぎて聴いていられません。これはわざわざ志方さんが歌う必要があるんでしょうか?作詞はやはりご自身でされた方が良いですね。。。
 とまぁかなり酷いことを書きましたが、逆にかなり良い曲もあります。まず1曲目のインスト「Siren」から続く2曲目「Navigatoria」。アルバムタイトルにもなっているこの曲は幻想的で美しく、サビの盛り上がりが素晴らしい。。。特にヴァイオリンの流れが綺麗すぎてタマらん! 
 次に5曲目「花帰葬」。実はこれを一聴してアルバム購入を決意しました(笑)ヴァイオリンのメロディが狂喜乱舞!曲全体を覆うメランコリックな雰囲気が好きすぎる1曲です!下に貼っておきます。
 最後に、アルバムのラストを飾る11曲目「Makeda〜Oueen Of Sheba〜」。本作中最も「RAKA」の構成に近似する1曲で、民族民謡的なフレーズに力強い歌唱法が用いられています。日本の民謡をベースに置いたような創りで、神秘的な曲調が魅力ですね〜。これはカッコイイです!
 さて以上で作品紹介は終わりますが、これは賛否両論ありますので、試聴した上で購入を検討したほうが良いかと思われます。2ndアルバム「RAKA」が圧倒的に良いので、そちらから志方さんの世界に入った方にとっては期待したものを得られない可能性もあります。じっくり考えてみてくださいね。。。


↓5曲目「花帰葬」 キラーチューン!