Dysthymia

「The Shivering Opus」

 アイスランドのデプレッシヴ・アンビエントブラックメタル・ソロプロジェクト「Dysthymia」のファースト・フルレンス、全8曲約51分で、そのうちの4曲がアンビエント/インスト。
 シューゲイザー系、デプレッシヴ系に強い「Pest Productions」という不吉なレーベルから発表されたこの一作。もはや暗黒世界が眼前に広がっています。。。ひたっっすらにまっ暗です。音楽性について簡潔に例えるなら
 フューネラル・ドゥーム+デプレッシヴ・ブラックメタル
 という、もはや救いようのない負の相乗効果
 心温まらないこと請け合い
 の暗黒鬱ブラックです。。
 具体的には、デプレッシヴ・ブラックメタルにフューネラル・ドゥームのような重苦しいシンセサイザーとリバーブの効いたドラムがのしかかり、もうどうしようもないほどに退廃的な構築美が醸し出されます。それは特に3曲目「Rotten And Diminished」の前半約3分に顕著で、もはや聴いているうちに
 「就活なんかもうしなくていいやあぁ〜」
 と、脱力系喚きヴォイスで言いたくなるような、そんな恐ろしくも耽美性が感じ取れる構成となっています。なお、この曲の3分以降に聞こえてくる殴り合いのような音は、決して
 就活を諦めた息子と父親の戦い
 ではないので、勘違いしないよう注意してください。
 ちなみにDysthymiaは「ディスチミア」と呼ぶらしく、日本語に訳すと「気分変調症」という、鬱病の一種を意味するそうです。そんなアーティスト名、どこで考えたんだ・・・!
 さて、以上で簡潔な説明を終わりますが、この作品は一部の中の一部の界隈では人気が出てもおかしくないレベルの作品であります。はっきり言って、非常に良い!自分が一部の中の一部であることを自覚している方は、ぜひ聴いてみてください。なお、当然のことながらそれ以外の方にオススメするなどということは
 敵に塩と称して青酸カリを送る行為と同義
 であると考えられるため、どうぞ音楽プレーヤーの管理にはお気を付けください・・・!


↓3曲目「Rotten And Diminished」