Funeral Inconscientemente Natural


「La Esperanza Que Nunca Se Pierde... Es La De Morir」

 チリ出身のアンビエント・ドローン・ドゥーム・ソロアーティスト「Funeral Inconscientemente Natural(F.I.N.)」の1stアルバム、全4曲約70分、ラストはライブ音源を収録。ちなみに500枚限定で、私は51枚目でした。。。
 作曲者はなんと麗しき女性一人(驚)歌詞カードではゴスファッションをしたり喪服をきたりと忙しい彼女ですが、それがなかなか似合っています。個人的にはかなりの美人さんだと思います(照)
うひょ〜!(←誰?)
 それでそんな彼女の作曲した作品なのですが、これが何とも芸術的。。。1曲目を日本語に直訳すれば「希望」で、タイトル通りの穏やかな曲調が展開されます。緩やかなシンセサイザーを基調とし、ぼんやりとしたドローン系のノイズが入り、そこに鼻歌のような旋律が入ります。しかし。歌詞カードを読むとその内容はあまりにも絶望的で、例えるならエドワード・ゴーリーの絵本を読んでいるかのような感覚に陥ります。この落差は何なのか。歌詞はこの後も絶望を語り続けます。
 2曲目でも穏やかなアンビエントが続き、時たま使用される冒頭でのシンセサイザーのリフが印象的。18分にも渡る曲の中でも、その独特の暗黒世界が表現されます。しかしここで一つ気になることが。。。このヴォーカルは・・・男ですか?(汗)それともエフェクト等をかけてわざとこうしているのでしょうか?疑問です(汗)
 3曲目は36分の大作で、その中でもぼんやりとした抑揚のないリフが計20分以上展開され、断末魔にも似たヴォーカルが狂気の希望を語ります。15分を過ぎたあたりから展開されるノイズがかったクラシカル・パートはその表現でしょうか。心理的に不安を与えるような曲調が不気味で素敵です。
 歌詞は一連のストーリー形式になっており、曲調はまるでその者の不安定な情緒を表現したかのようです。穏やかかと思いきや突如ノイズが混じり、さらに耽美的なシンセパートは次第に不協和音が強くなり、最終的には断末魔が加わります。なるほど、一貫した巧みな心理描写であるようですね。ちなみに歌詞はフランス語、スペイン語、英語の3ヶ国語で綴られてあり、そちらも楽しむことができます。。。・・・楽しむ強者がどれほどいるかは謎ですが(汗)
 さて、以上で終わりますが、本作はメタルというジャンルの最奥地にいる方々だけにオススメします。ギターピロピロ、ドラムドカドカ、ヴォーカルギャアギャアがメタルだと考えている方は、まず手を出さない方が無難です。あと、聴く方にとってはもはや退屈でしかない作品ともなり得ますので、ご購入の際は必ず試聴してください。ちなみに私はとっても楽しめました(笑)


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Funeral Inconscientemente Natural (FIN) | Listen and Stream Free Music, Albums, New Releases, Photos, Videos